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太陽光発電投資のリスクになる!?出力抑制とは

出力抑制の画像

最近耳にするようになった太陽光発電の出力抑制。ネガティブなイメージがありますが、単純に電力の買取を拒否するというものではありません。ここでは出力制限について正しい知識や仕組みをまとめています。

太陽光発電の出力抑制とは

「太陽光発電の出力抑制」という言葉が一時期話題になりました。太陽光発電投資をしている方にとっては気が気ではない話でしょう。そして実際に2018年10月に九州電力エリアで出力抑制が実施されたことで、ますます不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。

簡単に言ってしまえば、『本来なら買い取る電力をその期間だけ買い取りをしませんよ』ということです。これだけ聞くと、電力会社に電力が余ってしまうので、これ以上は買い取りません、と取られかねませんが実際はちょっと違います。

電力の供給量が大きくなると電気設備の故障に繋がる

出力抑制は電力が余ってしまうことで実施されることは間違いありません。電力の需要は季節や時間帯によって変動します。真夏の昼間や真冬の朝夕などは電力の需要はピークを迎え、電気が足りなくなるそれもあります。それにより計画停電などを実施することもあるでしょう。

その一方で暖房や冷房の需要が少なくなる春や秋、そして大きな電力が必要となる工場などが休みの日などは、電力が余ってしまうというわけです。

今の太陽光発電のほとんどは蓄電ができないので、供給量だけが多くなってしまうと電力の需要のバランスが崩れ、変電設備などの負担が大きくなり、電気設備の故障につながる恐れが出てきます。つまり、電力の供給量が多くなることでも故障により大規模停電を起こしてしまう可能性もあるのです。

出力抑制はまさに電気設備の故障からくる停電を防ぐために、事前に供給量を減らす取り組みなのです。ですので、電力がいらないから買い取りしません、というのとはちょっと違います。

出力抑制が30日ルールから360時間ルールへ変更

もともと出力抑制は30日ルールが基本でしたが、現在では360時間ルールが多く設けられています。電気の売買を行わない時間帯を決めているこのルールの変更部分をまとめました。

出力抑制導入の義務化

遠隔操作によってコントロールするシステムを導入して出力抑制が行われますが、実は対応機器を設置する費用はオーナーが負担しなければなりません。太陽光発電投資を行う際は設置が義務となっているので、設備以外への自己負担分が出てきます。

住宅用の太陽光発電も出力抑制の対象

2014年までは500kW未満の発電量のものは出力抑制の対象からは外れていましたが、現在では住宅用の太陽光発電も立地によっては対象となっています。とはいえ自宅での使用も入っているため、抑制される確率はかなり低いのではないかと考えられます。

見直されている出力抑制のルール

出力抑制は電力会社の接続可能量によって異なります。接続可能量に制約のある電力会社は出力抑制が必要になることもあるのです。またその出力抑制にはルールが見直されています。

  • 30日ルール(法改正前の旧ルール)
    1日単位で年間最大30日まで出力抑制。超過分は補償されます。
  • 360時間ルール
    年間で合計360時間まで出力抑制。超過分は補償されます。
  • 指定ルール
    事実上出力抑制の上限なし。補償もされません。

電力会社エリアごとの出力抑制表

10kWまで 10~50kW 50~500kW 500kW以上
東京・中部・関西電力 出力抑制対象外 360時間ルール
(2015年4月以降の申込)
360時間ルール
(2015年1月26日以降の申込)
北陸・中国電力 360時間ルール、
接続可能量超過後は指定ルール
(2015年4月以降の申込)
360時間ルール、
接続可能量超過後は指定ルール
(2015年1月26日以降の申込)
四国・沖縄電力 360時間ルール、
接続可能量超過後は指定ルール
(2015年4月以降の申込)
360時間ルール、
接続可能量超過後は指定ルール
(2015年1月26日以降の申込)
北海道・東北・九州電力 指定ルール
(2015年4月以降の申込)
接続可能量超過後は
指定ルール

このように、東京電力・中部電力・関西電力に関しては低圧(50kW未満)までは出力抑制は行われません。ですが、高圧(50kW以上)になるとすべての電力管内で出力抑制の対象となっているので実施される可能性はあります。

そして東京電力・中部電力・関西電力以外は接続超過後は、事実上上限なしで無補償の指定ルールが適用になることもあります。これから太陽光発電を設置する方は、電力エリアの出力抑制についても知っておくといいでしょう。 

各エリアの出力抑制が起こりやすい時期

出力抑制が起こりやすい時期は5月といわれています。この時期は雨も少なく、気温の高低差もほとんどありません。この気候が太陽光発電に取って好条件。しかも暖房・冷房いらずで過ごせる日が多いので、電力消費量が少なく済みます。これにより、出力抑制が起こりやすい時期であるといわれています。

全国的には5月に出力抑制が行われやすいとされていますが、日本の各地方の電力会社でも変わってくるのでしょうか?

東京・中部・関西電力

太陽光発電の電力は一方で電力が多く作られ、もう一方はそこまで多く作られないという場合があります。そういった現象が起こっている場合に出力抑制がかかりやすいといわれているようです。出力が抑えられている場合は、このような偏りがみられているときであると考えてよいでしょう。

近隣のエリアと電力の共有がしやすい東京・中部・関西電力は出力抑制のリスクが低いといわれています。周りに電気を使用する施設が多いことから、出力を抑えられるリスクが低いとみられているのです。

北陸・中国電力

北陸電力では再生可能エネルギーに関する特別措置法改正に合わせて平成29年4月11日に新制度に対応をスタートしました。これにより再生可能エネルギーの発電と設備から電力を調達する方に対して出力抑制に関する要綱を公開しています。実施されてからのデータはまだ公表されていないようです。

中国電力でも、再生可能エネルギーを導入する方が増えたことを受け、太陽光発電や風力発電業者などへの出力抑制を行う考えを示しています。2018年度内にパワーコンディショナーの切り替えや技術審査、出力抑制などのレクチャーを行っていくと明らかにしていました。現在まで出力抑制がどのように行われてきたかについてのデータは公表していないようです。

四国・沖縄電力

四国電力と沖縄電力どちらでも出力抑制の取り組みを行っていますが、実施後のデータについてはまだ公表されていないようです。出力抑制についての主な書類は四国電力・沖縄電力それぞれの公式ホームページで確認できます。

北海道・東北・九州電力

北海道電力では出力のシミュレーションを行い、公式ホームページで日付ごとにどれぐらいのコストが発生するか確認できます。東北電力も出力抑制の新ルールを導入していますが、詳しい設備量の公開はありません。

九州電力の場合、2018年の3月に壱岐エリアで3回、種子島で19回、徳之島で2回の出力抑制がありました。電力の安定供給のために火力機の出力抑制を行っても需要が供給を上回る可能性が高かったためとのことです。どの島も9時から16時まで出力抑制を行っています。

設備量の合計が多かったのは3月24日、種子島で行われた5.3MWです。続いて11日の5.1MW、14日の4.4MWと10日以降で設備量の合計が高くなっています。

壱岐では3回のうち2回は1.0MWと種子島で行われた出力抑制の際の合計よりも低めでしたが、3月31日のみ3.5MWと高めになっていました。

徳之島は3月24、25日と出力制御が行われましたが、最大で1.0MWの設備量の合計となっています。

出力抑制は太陽光発電投資のリスクになるのか

太陽光発電の画像

では、実際に出力抑制が実施されると、太陽光発電投資をしている方にとってデメリットとなってしまうのでしょうか。

リスクになることは間違いない

出力抑制が行われるということは、本来買取してもらえるはずだった電力が買い取ってもらえないことになります。仮に360時間ルール通りに、年間360時間買取してもらえなかったとすると、1日8時間発電するとなると約45日間発電しないのと同じになりますので、約12%損失になります。しかも出力抑制が行われるのは、発電量が多い時期でもあるのでその損失はさらに多くなってしまうでしょう。

仮に年間売電収入が約100万円見込めるとしたら、15万円近くの損失になる可能性もあります。太陽光発電投資をしている方は、それだけの収入を見込んで投資しているわけですから、大きな損害とまではならないまでもデメリットであることは間違いありません。

またこういった出力抑制が行われる可能性があると、金融機関からの融資も厳しくなることも予想されます。こういった諸々のことを考えれば出力抑制は太陽光発電投資のリスクになりえると言えます。

今後も出力抑制は行われるのか

では今後も出力抑制は行われるのかどうかが投資家にとって需要なポイントになるでしょう。

実際今後はますます太陽光発電の設置が増えていくでしょうし、原発も徐々に再稼働していくでしょう。そして出力抑制条件もどんどん厳しくなっていくと予想される(実際厳しくなってきている)ので、出力抑制が実施される可能性もあります。

ただ電力システム改革が始まれば東京電力、中部電力、関西電力の中3社の大きな電力系統を活用できるようになるので、そこまで大規模な出力抑制は行われないという見方もあります。

投資である以上リスクはつきもの

現在、出力抑制が行われたのは九州電力のみです。さらに九州電力は原子力発電の再稼働に力を入れています。そのため、今後も九州電力管轄内の太陽光発電に関しては春と秋の休日などに出力抑制が行われる可能性があります。

そのため、もしこれからこの地域に太陽光発電設備を設置しようと考えている投資家の方は、出力抑制も考えてシミュレーションする必要があるでしょう。また最近では出力抑制に対する保険を販売している会社もあります。

こういった保険に加入していれば、万が一出力抑制が実施されても損害は少なくて済むでしょう。また金融機関も保険に加入していれば融資が通りやすくなることもあります。

太陽光発電も投資である以上リスクはつきものです。今後はそういったリスクも考えた上で投資する必要が出てくるでしょう。