確定申告は必要か?

太陽光発電によって蓄えた電気を売電したとき、得られた所得にも納税義務が発生する可能性があることを知っていましたか?もしも課税の対象になったとき、確定申告をしなければならないケースがあるのです。こうした条件を事前に知っておくことで、手続きが必要になったときに慌てずに済むでしょう。

こちらでは太陽光発電の売電に関わる確定申告について解説していきます。

確定申告が必要になるケース

会社に勤めている方は、自身で確定申告を行う機会がないので、ピンとこない方もいるでしょう。まずは確定申告が必要になるケースから確認していきます。

会社から貰った給料は、自身で確定申告する必要はなく、勤めている会社でまとめて対応してくれることがほとんど。しかし、会社からの給料以外に、年間20万円以上の所得がある場合、それらは雑所得として計上しなければなりません。このときに確定申告を行う必要があるのです。

それでは、太陽光発電の課税対象について解説していきます。

太陽光発電の課税対象とは?

一般家庭の太陽光発電システムとは違い、さらに大規模な産業用太陽光発電を導入する場合、売電によって得られる所得は事業所得となる場合があります。このとき38万円以上が課税対象の所得となり、確定申告の手続きが必要です。38万円以下の場合、基礎控除38万円と相殺されてるので確定申告の必要がなくなることを覚えておきましょう。

次に太陽光発電が事業所得とみなされるケースについて紹介していきます。

太陽光発電が事業所得とみなされるケース

次の条件に該当するとき、太陽光発電による売電が事業所得とみなされる場合があります。

50kw以上の施設である

50kw未満の施設であっても事業所得となる場合

  • 土地の上に設備を設置しており、当該設備の周囲にフェンスなどを設置している
  • 土地の上に設備を設置しており、当該施設の周囲の除草や除雪などを行なっている
  • 建造物の上に設置しており、当該施設にかかる除雪などを行なっている
  • 貸借した土地や建物の上に設備を設置している
  • 自宅兼店舗に設置している太陽光発電設備の余剰電力を売却した収入である

住宅用太陽光発電の場合

住宅用太陽光発電とは、文字通り事業者ではない個人が、住宅の屋根に太陽光パネルを設置して発電を行うことです。この場合は、売電収入から必要経費を差し引いて所得を計算し、その額が20万円を超えたら確定申告が必要になります。所得額が20万円以下なら申告する必要はありません。

一方、住宅用太陽光発電で所得税を申告するとき、基本的には個人所得として申告しますが、発電出力量が50kwを超えた場合、または除草や除雪を行うなど一定の管理を行っているとみなされた場合は、事業所得として申告が必要です。住宅用太陽光発電投資を行っている人は、発電施設の管理状況と出力量をチェックしておきましょう。

個人事業主ではなくサラリーマンとして住宅用太陽光発電に投資を行い、売電収入を得ている人もいるかもしれません。このようなケースは、年末調整を行っているので申告は必要ないと考えるかもしれませんが、この場合も申告が必要です。サラリーマンとして年末調整を行っていても、住宅用太陽光発電で余剰売電を電力会社に買い取ってもらっている場合は雑所得が発生するので、確定申告しなければなりません。

産業用太陽光発電の場合

余剰売電ではなく、本格的に事業として行っている発電投資を産業用太陽光発電といいます。この場合は確定申告が必要なケースと必要でないケースに分かれます。

申告が必要なのは、売電収入による事業所得が38万円を超えたときです。38万円以上になれば申告が必要で、下回っていれば申告が不要と覚えておくと良いでしょう。

一方で、産業用太陽光発電では事業所得に対して課税が行われるので、事業所得とみなされる基準を知っておく必要があります。事業所得としてみなされる基準は2つです。1つは発電量が50kw以上であるかどうか。もう1つはフェンス・策を設置するといったような、太陽光発電設備に対して一定以上の管理がされているかどうかです。

2つの基準を満たすと、売電収入は事業所得とみなされます。こちらも38万円を超える場合は確定申告をしなければなりません。

産業用太陽光発電は住宅用よりも発電量が多いので、申告が必要なことがほとんどだと考えておいた方が良いでしょう。

個人事業主の場合は、事業所得の額に関係ないく確定申告が必要です。不動産投資のために賃貸を購入し、その屋根に太陽光パネルを設置した場合は事業所得ではなく、不動産所得とみなされるので注意しましょう。

確定申告有無の見極めは?

10kw未満の住宅用太陽光発電の場合、確定申告は不要ですが、それ以上の設備を有する場合は確定申告が必要になると考えられます。

確定申告が不要な場合

年末調整を行っているサラリーマン(給与所得者)の場合、所得が20万円以下になった場合は確定申告が不要です。

20万円という金額は、収入から経費を差し引いた課税所得の金額なので、収入額とは別になります。混同しないように注意しましょう。売電収入から諸経費を引いた額が20万円以下なら、確定申告をする必要はありません。ただし、売電所得以外にも所得(雑所得)がある場合、合わせた額が20万円以上となる場合は確定申告が必要です。

サラリーマンであっても年収2,000万円以上の方、医療費を控除した方の場合は確定申告をしましょう。年末調整を行っていても忘れずに確定申告をしてください。

個人事業主や自営業の方などの場合は、売電所得が20万円以下であっても確定申告をしなければなりません。

確定申告を忘れるとどうなるか

住宅用か産業用かに関わりなく、太陽光発電投資で所得を確定申告しなかった場合は、一定のペナルティが課されます。期限までに納税しなかった場合には「延滞税」が上乗せされ、一定の割合の税金を支払わなければなりません。

さらに期限を過ぎたことに対してだけでなく、申告しなかったことに対しても「無申告加算税」が課税されるので注意が必要です。無申告加算税は50万円までで15%、50万円以上だと20%の追徴課税が上乗せになります。

気を付けておきたいのが、これらのペナルティがいずれも金額において、申告手続きを遅らせれば遅らせるほど高くなってしまうこと。期限までに納税できなかった際に、何日遅らせても同じであるという考えは危険です。確定申告を忘れないことが一番ですが、もし遅れてしまった場合には、早めの対応を心がけましょう。

所得計算方法

確定申告をする上で、売電収入と必要経費から所得を計算しなければなりません。ここでは産業用太陽光発電設備を想定し、全量売電した時の計算方法について紹介していきます。

売電収入の計算方法

年間売電収入(円)=年間売電量(kwh)×売電単価(円/kwh)

必要経費の計算方法

必要経費=減価償却費+支払い利息+その他経費

太陽光発電設備の法定耐用年数は17年なので、このときの減価償却費は次のようになります。

減価償却費=(太陽光発電施設導入費用(円)-補助金(円))×1/17(減価償却率)

その他の経費とは

必要経費に含まれるその他の経費には、次のようなものが該当します。

  • 償却資産税
  • 保険料
  • 借地費用
  • 太陽光発発電設備のメンテナンス/工事/修繕/清掃費用
  • 電気代
  • 部品交換費用
  • その他の管理費(50kw以上で専任の技術者が必要な場合など)

これら以外にも、必要に応じて経費として該当する場合があるので、事前に確認しておきましょう。

確定申告に必要な書類

確定申告は申請に必要な書類が分かれており、白色申告と青色申告の2種類。それぞれの違いは次のように定められています。

  • 白色申告:経費を大まかに計算するだけで申告が可能
  • 青色申告:取引を詳細に記録しなければならないが、税金の納付控除額が多くなる

申告する際に必要な書類も違うので確認しておきましょう。

白色申告に必要な書類

  • 確定申告書 B
  • 各種控除関係の書類
  • 源泉徴収票(給与所得などがあった場合)
  • 収支内訳書

青色申告に必要な書類

  • 確定申告書 B
  • 各種控除関係の書類
  • 源泉徴収票(給与所得などがあった場合)
  • 青色申告決算書

各種控除関係の書類とは

両方の申告に必要な各種控除関係の書類は次のようになっています。

  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 寄付金控除

確定申告の流れ

現在はインターネットを使って、パソコンで確定申告書を作成することができるようになりました。

国税庁のHPから「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、給与所得・雑所得などを含めた必要情報を入力していくと、確定申告書の作成が完了します。

所轄の税務署窓口に行って申告書を作成するよりもスムーズにすすめることができるので、ぜひ活用してみてください。

入力項目に不明な点がある場合は、税務署に問い合わせて解消するのもいいですが、税理士に申告作業を依頼するというのもおすすめですよ。