太陽光発電システムは保守点検が必要

太陽光発電システムは、比較的トラブルが起きにくい機器ではあります。しかし、屋外で長期間使用するものですから、定期的に保守点検を行って安全な状態を保つことが大切なのです。今回は、太陽光発電システムにおける保守点検の重要性について解説します。

太陽光発電システムは劣化する

太陽光発電システムは、長期間の使用により劣化していきます。劣化が進むと、どうなってしまうのでしょうか。

発電効率が下がる

システムの劣化によって、太陽光パネル(モジュール)の発電効率は少しずつ下がっていきます。たとえば、20年保守点検なしに使用し続けた場合、発電効率は8割程度まで下がってしまうともいわれているのです。

パワーコンディショナの故障などが起こる

太陽光発電システムの中で、発電した電気を交流変換するパワーコンディショナは比較的故障しやすい部材です。特にヒューズが切れたり換気フィルターが目詰まりを起こしたりすると故障の原因となり、発電することができなくなります。

太陽光パネル(モジュール)の劣化

太陽光パネル(モジュール)は、屋外に設置するため雨や風などの天候によって破損や汚れなどが発生します。そうなると、発電効率はどんどん下がっていくのです。

住宅用太陽光発電の保守点検は必須

太陽光発電などの固定価格買取制度(FIT)は2017年に改正され、太陽光発電システムの保守点検が義務づけられました。これは安定的かつ安全に発電を行うためで、もしも保守点検を行わない場合は、FIT認定を取り消される場合もあります。

保守点検が必要な理由

発電効率の維持

保守点検を行うことによって、本来あるべき発電効率を維持することができます。発電効率が落ちると当初計画していた売電収入を得にくくなり、利益を生み出すことに障害が出てくるのです。

事故防止

太陽光パネル(モジュール)に汚れがつくことで、発火する危険性があります。また、架台の部品などが緩んでいると風で太陽光パネル(モジュール)が飛ばされるなどのトラブルが考えられ、近隣に被害が及ぶ恐れもあるのです。

点検内容と費用

目視点検と数値測定を行う

保守点検の内容は、目で異常を見つける目視点検、機器を使用した数値測定です。目視点検では部材の破損や汚れなどをチェックし、必要に応じて掃除や配線の整備などを行います。数値測定では、発熱や漏電、電流などの状態を数値化します。

点検が必要な部分

保守点検が必要な部分は、太陽光パネル(モジュール)やパワーコンディショナをはじめ、配線や架台、ブレーカーや電力量計などが主です。

点検費用について

保守点検のみの費用では、保証期間内であればほぼ無償で、有償の場合でも2～5万円程度を想定しておくといいでしょう。これに加え、修理などが必要になる場合はそれぞれに費用がかかります。

点検はいつ行うか

定期点検

太陽光発電システムの設置後1年で不良個所を点検し、その後4年ごとに保守点検するのが一般的なスパンです。

メーカーの保証期間内

メーカーの保証期間は、10年としているところが多いです。そのため、メーカー保証が切れる前には重点的に点検を行ってもらいます。また、20～25年後は出力保証が切れるタイミングでもあるため、この時期にもしっかり見てもらいましょう。

まとめ

太陽光発電システムは、こまめに保守点検を行うことで効率よく安全に発電することができるようになります。これにより、安定した売電収入を得ることも可能になるでしょう。適切な保守点検を行わなければ、FIT認定を取り消され発電できなくなる場合もあるため、注意しましょう。