住宅用太陽光発電で得られる平均容量や発電量について

近年普及が進んでいる太陽光発電は、一般家庭にも導入されるケースが増えています。よりお得に太陽光発電を利用するには、導入したシステムの発電量や売電収入を考えることが必要です。こちらでは、システムの平均的な発電量や売電収入の計算などについて解説します。

住宅用太陽光発電の平均容量について

住宅用太陽光発電の平均容量はおよそ4.5kW

太陽光発電などの固定価格買取制度（FIT）では、売電価格などの規定において設置容量10kW未満は住宅用、10kW以上は産業用と区分しています。一般家庭における太陽光発電システムでは、およそ4.5kWの容量が平均とされています。

4.5kWでどれくらいの電気が使えるか

住宅用の設置容量4.5kWで得られる発電量は、1日およそ14.5kWhです。一般家庭の1日の消費電力は、4人家族でおよそ15kWhであるため、設置容量4.5kWであればほぼ1日分の消費電力が得られるでしょう。

設備認定容量と設置容量について

固定価格買取制度（FIT）を利用する場合、設置した太陽光発電システムの設置容量を申請し、認定を得ることになります。しかし、このときに届け出る設備認定容量と実際の設置容量は必ずしも同じではありません。申請時に太陽光パネルかパワーコンディショナの容量のどちらか小さい方を設備認定容量とするためです。一般的には、パワーコンディショナの容量の方が小さいシステムが多く、この場合パネル容量の過積載となります。過積載の状態は、パワーコンディショナの稼働を効率的にし、初期費用を抑えられるなどのメリットがあります。

住宅用太陽光発電における売電収入を考える

設置容量4.5kWの住宅用太陽光発電において、売電収入がどれくらいになるか考えてみましょう。モデルケースとして4人家族を想定し、1日の電気使用率15％とします。このケースでは年間発電量の予想はおよそ5,000kWhで、余剰電力85％の値を計算すると、5,000kWh×85％=4.250kWhです。これに売電単価21円/kWhを掛けると、4,250kWh×21円=89,250円が年間の売電収入となります。

施工の際に注意したいこと

太陽光発電の施工にあたって注意したいことを紹介します。

自宅の屋根の状態を見てパネル設置

住宅の屋根の素材や形などによって、太陽光発電システムの能力を効率的に発揮する最適な設置方法があります。そのため、施工業者に屋根の状態を見てもらい、それぞれに適したパネル設置や容量を提案してもらうことが大切です。

容量と設置価格の兼ね合いを考慮する

太陽光発電システムは、メーカーによって設置価格が異なりますが、だいたい1kWhあたり30万円前後が相場です。設置容量4.5kWの場合、初期費用はおよそ135万円です。これに加えて、システムの発電効率などを考慮してバランスを計算しましょう。

初期費用だけではなく長期的な発電量を計算する

設置容量が小さいほど初期費用は安くなりますが、長期的な発電量を考えて売電収入を計算しましょう。初期費用が多少高くても設置容量が大きい方が得になることがあるうえ、初期費用の回収も早く済む可能性もあるのです。

まとめ

住宅用太陽光発電システムの設置においては、平均容量を把握したうえで売電収入を計算し、初期費用の回収にかかる時間や、電気代がお得になるのかを考慮することが大切です。施工の際には、単に安い初期費用だけを考えるのではなく、長期的な発電量を計算してどれくらいの収入を得られるか考えましょう。