産業用太陽光発電システムを導入する際に、多額の費用が必要になります。この費用を法人の経費で計上する場合、減価償却の考え方が必須になるでしょう。
このページでは、減価償却のベースとなる考え方を説明し、その方式についてもご紹介しています。産業用太陽光発電の投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
産業用太陽光発電を導入するためには数十万、数百万という数字を超えた、数千万円の設備投資が必要となります。このとき使用した金額は、必要な経費として算定できるので、減価償却によって確定申告の際に税金が削減されるのです。
特に長期に渡って利用し続けることが想定された機器や設備は、固定資産として扱い、購入・導入費用として計上するのではなく、まずは資産として計上します。
その後に使用できる年数に応じて減価償却費として費用を算出するのです。そうすることで固定資産の価値は年々下がっていき、実際の導入コストではなく、資産に計上されている価値を経費として 勘定することになります。これが減価償却の基本の考え方です。
減価償却を会計処理する際に、「定額法」と「定率法」があります。それぞれ法定耐用年数と同様に、一律で減価償却していくのですが、これら2つの違いを知ることで、さらに税金が削減されるかもしれません。
2つの会計処理について確認していきましょう。
定額法は減価償却費が毎年均等になるように調整する方法。機器や設備を導入した価格を、法定耐用年数で同額ずつ償却していく考え方です。
計算が単純で償却額を算出しやすいというメリットがありますが、固定資産の収益率が低下してしまいます。そのため、保全するための費用がかさむ後年になると、負担する比率が高くなるというデメリットがあるのです。
定率法は減価償却が最初の年ほど多く、次第に減少していく方式で、毎年未償却の金額から一定の割合で償却していく考え方です。
年々償却額が小さくなっていくので、週泳力が低下していく後年の負担が小さくなるメリットがあります。
定率法の償却率は法定耐用年数によって決まるので、科目によって減価償却費は大きく変わるでしょう。
定額法は毎年の償却費が同じなので、償却費の計算がとても簡単です。さらに未償却残高の計算容易な点がメリットとして挙げられるでしょう。一方の定率法では初期に償却費を多くすることで後々の償却費は減少していきます。どちらの方法も償却費の合計金額は同じですが、どちらが得と言えるのでしょうか。
一般的に早く経費を取りたい場合は定率法がお得だと言われています。定率法を選択することで、「多くの費用が早い段階で減価償却費として回収できる」というメリットがあるのです。
さらに資産は経年によって、修繕や修理が必要な場合もあります。このとき、修繕費と減価償却費の合計が、定額法よりも平均化できる点も押さえておきたいポイントです。
しかし、個人事業主が定着法を選択する場合、ある期限までに所轄の税務署に届け出を申請する必要があります。申請書の手配というように、時間を要する手続きもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
ここでは定額法と定率法、それぞれの減価償却の計算例を紹介していきます。
法定耐用年数10年の設備を3,000万円で導入して、定額法で減価償却していきます。このとき、毎年の減価償却費は、次のようになります。
3,000万円 ÷ 10(年) = 300万円
定額法の償却率は、1÷法定耐用年数で計算可能です。
10年なら0.1(1÷10)、5年なら0.2(1÷5)となります。
法定耐用年数10年の設備を3,000万円で導入して定率法で減価償却したとしましょう。1年目の減価償却費は600万円(3,000万円×0.2)、翌年の減価償却費は480万円((3,000万円-600万円)×0.2)となります。
減価償却資産を実際に使った期間よりも、法定耐用年数が長いケースがあります。例えば、法定耐用年数が5年に設定されているが、実際には3年しか使わなかったといった場合です。
このとき、会計上の利益は税法上の所得金額が増え、余分な法人税を払わないといけない可能性が出てきます。
現在ではテクノロジーの革新によって、ある製品でも法定耐用年数の期間分、使用することが少なくなっていくかもしれません。そのため、余裕のあるうちに早めに償却するといった賢い運用方針も見極めなければなりませんね。
この場合、定額法よりも定着法の方が節税の効果が高いですよ。
減価償却の計算は専門的な知識が必要なため、難しくて正直良くわからない方も多いと思います。太陽光発電投資を行っている業者の中には、相談に乗ってくれたり提案をしっかりと行ってくれる企業もあるので、投資を考えている方は相談してみるのも良いでしょう。逆に相談に乗ってくれないような業者は気をつけたほうが良いかもしれません。
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