太陽光発電システムを設置すべき方角と角度

太陽光発電投資は、太陽光の照射によって発電を行う仕組みなので太陽光発電システムをどの方角にどの角度で設置するかが重要となります。住宅の屋根に設置する場合は、向きや角度がある程度、制限されてしまいますが、空き地の上に設置する場合は、自由に方角や角度を変えることが可能です。太陽光発電投資に興味がある人は、どこかで「向きは南、傾斜は30度がベスト」という話を聞いたことがあるかもしれませんが果たして本当にそうなのでしょうか？今回は、太陽光発電システムの方角と角度について解説していこうと思います。

太陽光発電の正しい設置角度とは

まず太陽光発電システムを設置する方角ですが、これについては基本的に南側がベストということで問題ありません。太陽が東から昇り、南を通って西へと沈んでいくので誰でも想像できることだと思います。

では次に太陽光発電システムのパネルを設置する傾斜角度です。30度というのは日本の標準値。つまり、東京で設置する場合に一番、効率のよい傾斜角度です。ですので、設置するエリアが沖縄や北海道になると効率の良い角度は変わってきます。ではこれらの地域ではどの角度がベストなのか次の項目で学人していきましょう。

地域ごとによって異なる正しい設置角度

太陽光発電システムの傾斜角度については、東京は30度が最も効率的だということが分かりましたが、では他地域ではどうなのでしょうか。まず沖縄ですが、那覇市では26度が発電の効率がよいとされています。一方、北海道の札幌市は43度がベスト。つまり、同じ日本国内でも北と南では約17度も効率のよい傾斜角度が異なるということになるのです。

太陽光発電の設置角度と方位でどこまで発電量は変わる？

方角が最も重要

では、理想的な方角と傾斜角度にすることによってどれくらい発電量に変化があるのかを見ていきましょう。

東京で太陽光発電システムを設置する場合の最も理想的な方角と傾斜角度は、南向きの30度。この場合の発電量を100％とします。ここから傾斜を40度にすると発電量は99％に変化。逆に20度にすると98％となります。一方、方角を変えた場合、南西向きで最適な角度とされる20度と南東向きでベストな30度の場合の発電量は95％、東向き・西向きの時は、傾斜0度で89、10度で88％となります。

このように南向きで傾斜角度を10度ほど変えただけでは、発電量の変化はそれほどありませんでしたが、向きを変えるとより発電量に大きな影響を与えることが分かります。ですので、太陽光発電システムを設置する場合は、どの方角に向かって設置するかがより重要となることが分かります。

産業用太陽光発電投資の場合はあえて低い設置角度にするケースも

投資目的で行われる産業用太陽光発電の場合、効率のよい角度よりもわざと低い角度にして設置することがあります。

太陽光発電投資では、発電量を増やすためには単純に広い敷地により多くの太陽光発電システムを設置するのが基本。この場合、気を付けなければならないのが、太陽光パネルを傾斜させることにより生じる影です。平面に太陽光パネルを設置する場合、前列のパネルの影が後列のパネルに掛からないようにするため、地面からの高さを約2倍とった長さの間隔で並べることになり、この間隔は傾斜角度が低いほど狭くて済むということになります。

先ほど紹介したように35度の傾斜が発電効率が最も良い場合、20度の傾斜にすることで発電量が落ちてしまいますが、その損失分はわずか2％ほど。しかし、傾斜角度を低くすることにより、同じ面積の中に1.2倍の太陽光発電システムを設置することができるようになり、結果としてトータルの発電量は増加するということになるのです。

まとめ

太陽光発電システムを設置する方角は全国共通で南向きがベストですが、傾斜角度はエリアによって異なります。中でも設置する向きは、発電量に大きな影響を与えるので、事前にしっかりとチェックするようにしましょう。