太陽光発電市場の動向は？卒FIT後のこれからを考える

太陽光発電市場は、2019年に卒FIT事業者が出始めてから、さまざまな動きを見せています。ここでは太陽光発電市場は今後どうなるのか、FITが終了した後は各事業者にどんな選択肢があるのかを紹介します。

太陽光発電投資市場は今

太陽光発電市場は、2019年11月に初の卒FIT事業者が生まれるとともに、さまざまな動きが始まっています。

卒FIT事業者の増加

2009年に始まったFIT制度が10年目を迎え、住宅用太陽光発電の10年間の固定価格買取期間が終了する、いわゆる「卒FIT」が始まりました。また2009年以降に太陽光発電に参入した事業者も、今後次々と卒FITを迎えていきます。

FIT制度の価格低下

FIT制度で行われている買取価格は、年々下落傾向にあります。例えば2012年の価格は42円（ダブル発電34円）、2013年は38円（ダブル発電31円）となっておりました。価格は年々低下していき、2019年度の10kW未満の調達価格は1kWh当たり24円（出力制御対応機器設置義務なし）となっております。

FIT制度の見直し案がスタート

FIT制度は見直しが進められています。主な理由は国民の負担増が背景にあるようです。FIT制度導入後、再エネ導入の拡大は進みましたが、ここからは負担が少なく安定的でより時代に合った制度が求められていくでしょう。

FIT後の太陽光発電の選択肢

FIT制度を利用して太陽光発電をスタートさせた事業者は、市場の変化を加味してFIT後の選択をする必要があります。自分たちの電力利用の在り方を振り返り、最適な方法を選ぶことが大切です。

新電力が活発

FIT制度終了後の選択肢の一つに新電力があります。新電力は、大手電力会社以外の新しい電力会社であり、自由化に伴って活発化してきました。買取期間が満了後でも、買取を続けたい時に利用できます。

自治体も参入

買取期間満了後の選択肢として、地方自治体の新電力もあります。電力を地産地消することで、売電と地域活性化への参加が可能です。

自家消費で電気代削減

買取期間が終わることで発電した電力を自家消費する方法も選べます。自家消費をすることで電気代の削減も可能です。また蓄電池や電気自動車を導入することで、自家消費を拡大することもできます。

これから参入するには中古市場がおすすめ

FIT制度の見直しや売電価格の低下など不安材料はあるものの、これから参入して成功させることも不可能ではありません。太陽光発電に賢く参入するには、中古市場がねらい目です。中古太陽光発電は、すでに稼働しているため、主に2つのメリットがあります。

一つは過去のFIT価格のために高い売電価格が設定されていること、もう一つは過去の稼働状況から収益利回りが見えやすいことです。今後、FIT制度が終わったとしても、今稼働している発電所は権利を失うことはないため、中古市場はこれからもしばらくは活発になることが予想されます。

まとめ

太陽光発電市場は今、大きな動きが始まっています。FITによる買取価格固定期間満了を迎える事業者も増え、FIT制度の見直しも始まりました。今後の運用や参入に不安を感じる人もいるでしょうが、市場の動きに合わせて、最適な選択肢を選ぶことで事業を成功させることも可能です。場合によっては設備ごと売却するのも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。