太陽光発電システム設置でかかるランニングコストは？

太陽光発電システムの運用にあたっては、導入時にかかった初期費用だけではなく長期的に見たランニングコストも必要となります。太陽光発電の運用に必要なランニングコストには、どのようなものがあるのでしょうか。ここではそれぞれの費用相場も含めて解説します。

ランニングコストがかかるもの

電気代

太陽光発電システムのパワーコンディショナを動かすためには電力が必要です。太陽光による発電ができない時間帯は電力会社から供給される電力を使用することとなり、その際にかかる電気代を支払わなければなりません。

定期メンテナンス費用

発電効率の維持や安全な使用のために、住宅用で4年に1度のメンテナンスが推奨されています。そして、不測の事態が起こった際にはそれ以外にもメンテナンスが必要です。その際も費用がかかります。

修理費用

太陽光発電システムが故障した際、メーカー保証期間外、条件の対象外であった場合には修理が有償となります。また保険に加入していても、補償を受けることが難しいケースもあるでしょう。

各種税金

売電することにより収入を得た場合には、所得税を支払わなければならないケースも存在します。また、産業用（設置容量10kW以上）では太陽光発電システムは償却資産とみなされ、固定資産税が発生します。さらに、法人であれば法人税などもかかるのです。

パワーコンディショナの交換費用

パワーコンディショナの物理的耐用年数はパネルなどよりも短く、一般的には10年程度とされています。そのため、導入から10年を経過した場合には交換が推奨され、その費用が必要になるでしょう。

各種保険料

太陽光発電システムのメーカー保証は、災害で起こった損害には適用されないことが多いです。そのため、動産保険や賠償責任保険など各種損害保険に加入し、保険料を支払うことが勧められます。

ランニングコストの相場

電気代

パワーコンディショナの電気代はその種類や容量により異なりますが、個人の住宅用であれば1台につき1カ月数百円くらいです。

定期メンテナンス費用

定期メンテナンスをおこなう場合、住宅用で1回につきおよそ2万円程度が相場とされています。

修理費用

修理費用は故障状態によって違いがあり、パワーコンディショナの部品交換で5万円～10万円程度です。

各種税金

所得税に関しては、売電収入から計算した所得の金額によって異なるため、個々に計算が必要です。固定資産税がかかる場合は、固定資産税評価額に1.4％をかけて算出します。法人税が発生する場合、売電により得た所得の23.2％が税額です。

パワーコンディショナの交換費用

パワーコンディショナをすべて交換する場合は、20～30万円前後を見ておきましょう。

各種保険料

これは保険会社や種類によって違いがあり、1年間で1～5万円くらいの間が相場です。

メーカー保証について

製品保証

製品保証は、太陽光発電システムの部材の機能を保証するもので、この期間中に故障などが起きた場合は無償で修理されます。期間はメーカーによって異なり、だいたい10年前後が一般的です。

出力保証

出力保証とは、太陽光パネルによる出力を一定量保証するもので、出力が下がった場合にはパネルの交換が可能です。保証期間はだいたい20年前後で、パネル自体は無償ですが工事費用は別途かかります。

まとめ

太陽光発電システムのランニングコストにはさまざまなものがあり、設置する前にはこれらを試算したうえで費用対効果を考えるべきです。特に修理費用については、メーカー保証の期間によって発生の有無や適用範囲が異なるため、メーカーの対応をよく確認してください。